講座のおさらい 1
二ヶ月もお休みが続いたので、皆さん、そろそろ童話の事などお忘れではありませんか?
時間は充分あるはずなのに、どなたも一作もお作品はまいりません。
もしかして、童話の書き方を忘れてしまわれたかな、と心配しております。
思い出していただく縁(よすが)になればと私も思い出しながらちょっと書いてみましょうね。
先ず、読者は何才くらいを思い描いているか?
幼稚園の年少さんか年中さんか年長さんか、小学低学年か、中学年か、高学年か。あくまで読者としての対象として、です。主人公の年齢ではありません。小学低学年を主人公にした大人向けの小説というのもあります。
対象読者の年齢が決まったら、最後までそれが揺るがないようにお願いします。年少さんが対象だったはずなのに、最後は小学生でなければわからない言葉やとても年少さんのする事でない事柄が出てくる、というのは良くある事です。それではダメ。
なぜそこを混同してしまうかと言うと、書きたいことが実は年少さんでは、理解できないことだったというのが一番多いんですね、
ということは、対象年齢を確かに把握するということは、つまりは書きたい事を自分ではっきりわかっているということ、なんですね。
これがとても大切なことで、物語を綴っていくのに書きたいことが把握できてなければ、とてもじゃないがロクな物は書けません。当たり前だと思われるかもしれませんが、かなり書いてきた人でも書きたかった事が途中で変わってしまう、あるいは事象やアイテムばかりに目がいって、書きたい事、つまりテーマの把握がしっかりとしていないという事は良くあるのです。
子供が可愛いことを言った、これを使って童話を書こう、子供は年中さんだ、だから年中向きに書こう、これで優れた作品を書くのは至難の技なんです。大概の人はここから書き始めてしまいます。子供が言った事を、可愛いと感じたのは何故か?その核はどこにあるか?それをちゃんと手繰り寄せれば、必ずテーマは付いてきます。そのテーマに沿って年中さんにわかる言葉で綴っていく。しかし、自分がよくよく考えて手繰り寄せたテーマは自分がそれについて書きたいテーマではないという場合もあります。その時は子供の言葉を可愛いと思うだけにしておきましょう。物語を紡ぐまでのことではなかったということです。そしてまた、違う物語の小道具として使えばいいんです。
読者対象を掴み損ねるということはただの言葉選びを間違うということではないのです。
これを書こうと思って書き始めたものを、チャラにしてしまうというのは辛いことです。縋りたいものではありますよね、折角なのにね。
でも、そこをちゃんと「あかんわ」と捨てられることこそ、創作者なのだと思います。
あらあ、結構、長くなったわあ!
ではまた、次回をお楽しみに。
こんなん書いて欲しいというご希望、お受けいたします。メールでどうぞ。
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