考えること、感じること
金曜日の講座でも少し触れましたが、物語を作るために「よく考えること」はとても大切です。書きたい気持ちが先走りして、深く充分に考えないで、ただどんどん書いていくのは、みすみす失敗しに行くようなものです。では、頭で考え尽くせば良い物が書けるかといえば、そうではありません。考えの先にあるものは往々にしてありきたりなものである事は否定できません。良い作品ができない時、考えが足りなかったと思うのはある意味大きな物を見落としていることになるかもしれません。
考えることの根幹にあるのは、感じる事だと思います。
感じる事は考える事と違って、さあ、今から感じるぞと言ってできることではありません。常に触覚を研ぎ澄ませて、自分に問いかけて、この呑み込めなさは何だろう?この強烈なインパクトは自分のどこを打つからなのだろう?何故ここで自分は泣くのか?または泣けないのか?そういう事としっかり付き合うこと、たやすく、ありきたりな他人の作った既成の分類に分けいれてしまわないこと。自分の感じた事と丁寧に付き合っていく事。そういう事が出来ていて、その先に「考える」があると私は思います。
頭で考える事もとても大切。それを否定するわけでは全然ありません。考え不足の物は面白くない。でも、感じてない作家の書いたものは、結局はスカスカです。
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