大人が顔を出す。

子供の世界を描くのに、大人は欠かせません。実際に顔を出すかどうかはともかく、子供がいる世界には大人もいるのです。
その大人の描き方で物語が童話になるかどうかが決まります。作者は大人ですから、いくら子供の視線で、と言っても、なかなか大人の視線をゼロにするのは難しい。そこは「慣れ」です。「カン」です。この線を越えると大人がモロに出るぞと感知できる、理屈ではない「カン」が必要です。
いつも自分の立場からだけしか思考できない人は、子供の側に立てないものです。
これ、子供が読んで面白いか?
立派なことばかり書いてある、いい大人ばかり出てくる、そう言う物語は子供の側に立った物語とは思えません。かといって、悪い人間ばかり出てきたり、嫌なことばかりが起きればいいと言うのでは勿論ありません。
庇護される側としてだけの子供、庇護する側だけの大人、それは嘘ですよね。
もっと深く考える習慣をつけて下さい。
雰囲気に流されない、キチンと地面に足のついたフィクションを。

大内曜子の童話教室

大内曜子の童話教室 NHK大阪文化センター梅田教室で25年の歴史ある童話と絵本テキスト教室のホームページです。

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