文学作品の事
講座では童話の事だけでなく、よく現代文学の事をとりあげます。児童文学よりもそちらに重心を置いています。
そこで度々話すのが三島由紀夫の「豊饒の海」のことです。まだお読みになっていらっしゃらない方のために良い案内書を見つけました。実は「豊饒の海」についての確かな書評は、その書かれた時期や作家自身の尋常でない最期のせいか、キチンと書かれたものを私は知りません。それがこの本の中で神谷竜介さんという編集者がわかりやすく描いています。「本の雑誌社」から出ています。ネットでも買えますよ。
四部作それぞれのまとめから三島作品への案内になっていることも面白いです。第1部「春の雪」が好きな人は「潮騒」「仮面の告白」「禁色」を。第2部「奔馬」が好きな人は「剣」「英霊の声」、第3部「暁の寺」が気になる人は「癩王のテラス」、第4部「天人の五衰」が好きな人は「金閣寺」「青の時代」「宴のあと」を、という具合です。私は第4部が好みで、確かに「金閣寺」は大好きな作品です。
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