思い込み
有名な川端康成の「雪国」の冒頭、皆さんはどう覚えていらっしゃいますか?
「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」
と、言われることが何故か多いのですが、正確には「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」です。
「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
この二つの文章はその完成度が全く違います。前者は声に出して読むとマヌケな感が拭えません。文章として後者は説明が十分であるのにくどくなく美しい。
そして、この「国境」の読み方も「こっきょう」か「くにざかい」かという論争があります。でも、声に出して読むとわかりやすいのですが、冒頭のまず第一声に濁点が入ることは実に美しくない。
もし、前者の文章が雪国の冒頭だと思い込んでいらしたら、訂正しておいてくださいね。
冒頭の文章は本当に大切です。
そして、前者の文章には、違和感を抱かなければなりません。それくらいの感性は持ち合わせていてください。
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